ワンダーフェスティバル

フィギュアだけでなく、玩具業界全体では毎年様々なイベントが開催されているが、その中でも海洋堂が主催している世界最大規模のイベント『ワンダーフェスティバル』が一番有名なところであろう。1984年12月にゼネラルプロダクツ(現在の株式会社ガイナックス)が、ゼネラルプロダクツ大阪二号店にて開催されたプレイベントがその始まりであり、1992年夏から海洋堂がその主催へと変更し、現在でも年に二回開催されているイベントである。来場者数も年々増えており、最近開催された2013年冬の際は5万人以上の来場者が開催場所である『幕張メッセ』に集った。プロ・アマチュアを問わない原型製作者によるガレージキット・模型・造形物の展示・販売を目的としている他、フリーマーケット・コスプレイヤーとといったイベントも行われている。近年では企業とのタイアップイベントも開催されているので、商業的な色合いも強く、その中には美少女フィギュアも多く取扱われている。本来はアマチュアによりガレージキットの展示販売ということでは最大のイベントではあるものの、コスプレをする人々にとっても貴重なイベントとして重宝されていることで有名だ。イベントの性質上、危険物として持ち込み禁止をすることが普通である長物や模造刀・モデルガンの携帯は許されているなど、規制という概念が些か緩めである。またコスプレイベントとしての認知が強いこともあって、ガレージキットをなぜ売っているのかと不思議に思う来場者がいるなど、イベントの本質とは違う逆転現象が起きているという。近年ではPVCやコールドキャストという製造方法などによる塗装済みフィギュアが大量に販売されるようになり、『ワンダーフェスティバル限定販売』として銘打ったレア物も売られている。しかしこうしたフィギュアが後にきちんとした形の製品として販売されるなどの、限定品と銘打ったことをあっさり覆すと言う消費者の購入意欲を削ぐ行為も多く見られている。このことが購入目的のためだけに来来場者を増やしてしまう現象を引き起こしており、イベントの地盤沈下を招いていると言う見方も存在する。

『当日版権システム』

イベント内において、企業側が完成品フィギュアを販売すること事態は商売として成り立っているものの、アマチュアとして参加している人々にとって版権作品は著作権の関係上のため製作が基本的に不可能である。その問題をクリアするために開発されたのが『当日版権システム』と呼ばれるものだ。概要として、イベント参加時にある作品に登場するキャラクターなどのガレージキットの製作・販売を希望するアマチュアは、イベント主催者を通じてその作品の著作権・商品化検証勇者である版元から、イベントの開催期間中かるイベント会場内に限り、ガレージキットを商品として展示。販売することについての許諾を受けて、それを元に転じ・販売活動を行うことを可能にしたシステムである。但し全ての作品においてシステムが適用されると言うことではなく、一部作品において許諾が認められていないものもある。このシステムが開発された理由として、イベントが開催されたばかりの当初の頃は無許可で版権物を製作・販売しているところも多く、市場が拡大するにつれてアマチュアと正規商売として扱う商業メーカーとの間で問題点が浮上した。これを解消するために主催者であったゼネラルプロダクツは、イベント内限定で版権を許諾するという緊急避難的な措置を行ったことがシステム誕生のきっかけとなった。

アキバの名所

『ワンフェスとトレフェスの違い』

同様の玩具イベントで『トレジャーフェスティバル』というイベントがある。似ているようだが、まずは開催時期がトレフェスがまだ浅く、開催してから約3年の月日しか経っていない。主催元である会社も違い、トレフェスは『グリフォンエンタープライズ』は主催者であり、東方Projectの作品を多く取扱っている企業ということもあり、当日は関連商品の販売はを多く取扱っている。上記に述べた当日版権システムは導入しているものの、歴史が浅いために許可が下りるケースも少なく、ワンフェスに参加した際には許諾を受けられたのに、トレフェスでは受けられないということも多々起こっている。またトレフェスイベント内において『ピースアースチャリティ』というチャリティ活動も行われており、入場慮などの一部利益を寄付しているということだろう。イベントの規模も違い、トレフェスはビッグサイトホールの1ホール分の広さでの開催となっている。ワンフェスとの違いとしては。開催規模が小さい分だけアマチュアからすれば肩の力を抜いて気軽に楽しめるイベント、という色合いも強いと言う声があるように、親しみさが出ているイベントいえる。

萌キャラ大集合!

『ワンダーショウケース』

概要としてワンフェスを母体とする新たな組織で、ワンフェスから生まれた才能に幅広い可能性を提供するためのサポート期間、新進ガレージキット作家の育成と反映を目的に置いた『アーティストプロデュースシステム』ということである。ワンフェスを中心に活躍しているガレージキット作家の中から参加アーティストを選出し、各アーティストごとに六ヶ月間のプロデュースを行い、期間中に参加アーティストの作品を企画ないプレゼンテーション作品として販売すると同時に、参加アーティストの才能を幅広く理解してもらおうためのイベントである。発表作品はワンフェス会場での販売をメインとし、イベント終了後も海洋堂直営のショップでの販売を行い、イベント参加が出来なかった人々への流通も行っている。このイベントの活動目的として『参加アーティストが自身の将来を見据えた際、複数の選択肢の中からそれを選ぶことができるような環境の作成に協力していく』としており、アーティストの才能をこのまま世間に埋もれさせておくのはもったいないとして、その活動を広く知ってもらうためのイベントと言えるだろう。こういうイベントの場合だと何かしらの制約が必ずあるが、一番の特徴としては『プレゼン作品として発表した後、作品の権利は全てアーティスト本人に返還する』という点だ。基本的にイベント内で発表した作品の権利はその主催者側に帰属することが多く、個人で取扱うことが難しくなってしまう。しかしこのイベントの場合、発表後も作品を企業とのタイアップで商品化することも可能になるということだ。イベント参加方法は自薦・他薦を問わず広く募集しており、また時に主催者側から参加の申し入れをすることもあるという。このイベントの最大の利点ともいえるところは、自分の力量を大勢の人の前で披露できるという点であろう。基本的にアマチュアで活動している人は、こうしたイベントでの参加を気に人々に自分の作品を広く知ってもらおうという要素も強く、またプロを目指して活動している人が日々切磋琢磨して作り上げた商品の出来を第三者から見た場合どう評価されるのか、そして欠点がある場合はどの点がいけないのかという意見を手に入れるためにやっている人もいる。そうした中でこのイベントでは自作品の権利は必ず自分に返還される上に、商品として販売することも可能であり、うまくすれば企業との連携で商業商品として販売することも可能という、作り手としてはこの上ないイベントである。そもそもイベントの発端として、参加する人が増えてきたからこそ、その中でこのまま埋もれるような自分ではないといった野望を抱く人もいる中で、森の中に隠されたまま才能を消してしまってはもったいない、また誰よりもうまくそして圧倒的な迫力をもったガレージキットを作りたいという『ガレージキット・スピリッツ』の向上を目指すために開催が決定した。実際に参加作品を見れば、荒削りであるものの作り手の魂が感じられるものばかりであり、中にはプロが作ったものと言ってもおかしくないようなクオリティの高い作品も出てきている。才能の開花を手助けする、または自分の作品はまだまだ可能性を持っているということをアピールしたい、主催者側からしても参加者側からしても、無限大に思える願いが見えることでこのイベントの存在意義は生きているだろうと思う。

『企業ブース』

近年の同人イベントでは、企業がブース参加している例が非常に多くなっている、イベントの趣旨に合う内容で参加することになれば、商品アピールを行うことができるという点が非常に大きく、ユーザーを増やすことができるという点が一番であろう。上述に述べたイベント限定として販売するフィギュアの他にも、過去に製作したフィギュアの展示・現在鋭意製作中をしているフィギュアの塗装前の原型の展示や、今後発売する作品の宣伝も出来るとなれば企業は見逃すはずないだろうそこで今後どのようなフィギュアが発売されるのかということを視察できるとなれば、ヘビーユーザーにとって下見をするだけでも大きな点となる。イベントにつれられて、まだ業界の内容に染まっていない新規ユーザーを取込むことができると言う可能性もあいまって、年々参加する企業は増加の一途をたどっている。またこうした企業ブースにおいて、個人的に一番見所を挙げるとするなら、その企業がどのような商品を販売して、またどのようなフィギュアの造型なのかが分かるということだ。メーカーやレーベルが数え切れないほど多い玩具業界において、企業の商品を知ってもらうのはもちろんだが、知識が皆無の新参者からすればどこを見ても一緒ではないかという答えに行き着いては企業としても本望ではないだろう。原型を見てもらい、その場で興味を抱いても購入までに至らなくてもその場は十分なはずだ。興味を持って、家に帰った後でネットを調べて他社のフィギュアの出来を見て、やっぱりあっちの方がいいなぁと思うことがあれば、じゃあ買ってみようかなぁということになるかもしれないのだ。それだけで企業としての価値は大いに上がるだろう。特に原型が最も注目を集めるフィギュアにとっては原型師はおろか、企業の力の見せ所である。イベント参加によって、企業のPRができると考えれば参加することにも意義があるということだ。